2002年 12月 6日 (金)
数日前の話題だが――
一橋大で集団カンニング 携帯メール使い 26人
一橋大……で 7月末の夏学期末試験の際、2、3年の学生計 26人が携帯電話のメールを使い集団でカンニングをしていたことが 3日、分かった。杉山武彦副学長によると、カンニングがあったのは「eコマース概論」の試験。試験終了後、内容がほぼ同じ答案が多数あることに担当教官が気付いた。……
携帯電話のような小型通信端末を用いて試験中に連絡しあうことなど,ちょっと脳が働けば誰でも思いつくものだ。試験に何かを持ち込んで参照するのを禁じたり,それを指定の教科書や自筆ノートに限るのは,もはや無意味だ。意味があるとすれば,担当教官が自分の著書を買わせて持ち込ませることによってその印税を確保するくらいだろう。
だからこそ僕は,すでに 4年も前から担当するすべての講座で「何でも持ち込み可」という試験を行っている。しかしそれでも,ちゃんと勉強をした者は試験もできるし,勉強していない者はやはり試験の出来も悪いという結果が,それなりに出るのだ。なぜか―― 短答式であれ論述であれ,ちょっとやそっとじゃできないような,受講生をして本当に考えさせる問題をこちらが考えているからだ。同じ答案がいくつも出てくる?―― そうさせない工夫を問題を作るこちらが凝らせばいいのだ。そういう意味では,僕は,試験というのは僕と受講生らとの知恵の凌ぎあいだと思っている。こちらとしても手間はかかるが,こういう知的な闘いは楽しい。
特定のことを暗記させたり,(何頁から何頁までというように)範囲を限ってそこから教科書の記述を写せばそれで答案ができるような,そんな試験はクソ食らえだ。何を参照してもいいから応用力を使って考えさせる――高等教育での試験は,それでいいのだ。
見たもの・聴いたもの
- ベートーヴェン: 交響曲第9番 《 Beethoven: Symphonie Nr.9 》 ― Norman (sp), Fassbaender (al), Domingo (tn), Berry (bs), Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor, Wiener Philharmoniker, Böhm (CD: Polydor: Grammophon/F25G 29013)
季節もの。ベーム最晩年の録音という触れ込みの CD。“第九”というとカラヤンや,最近では小澤のが有名だが,これらがどうもノリノリでポップスを聴いているような感じがして落ち着かない ――実際カラヤンの演奏は LP で聴いたこともあるがやはり性に合わなかった―― 僕のようなのには,このベームが創り出す枯れた感じがむしろいいのだ。ただデジタル初期の録音らしいが音はあまりよくない。
- マーラー: 交響曲第5番 《 Mahler: Symphonie Nr.5 》 ― Wiener Philharmoniker, Boulez (CD: Polydor: Grammophon/POCG-1996)
- Civilization Phaze Ⅲ ― Frank Zappa (CD: Zappa Records/CDDZAP 56)
- タモリ倶楽部 ―変態性欲の心理! クラフト博士歴史上初めて性の世界を研究… (テレビ朝日, 24:15~24:45)
この記事へのコメントはまだありません
※ 現在コメントは受け付けていません。
トラックバックの送信
- あなたのブログがトラックバック機能を備えている場合は記事作成画面等から上記 URL に Ping を送信してください。
- 手動でトラックバックする場合は下記のフォームからあなたのブログおよびその記事に関する情報を送信してください。手動送信時には別のウィンドウが開きます。元のウィンドウ(記事表示画面)をリロードしてトラックバックが反映されていれば処理がなされています。別に開いたウィンドウは送信処理後は閉じても構いません。