2004年 3月 6日 (土)
昨日読み終えた キャス・サンスティーン(石川幸憲:訳) 『インターネットは民主主義の敵か』 毎日新聞社,2003年,152頁 から,表現の自由とメディアとの関係について,少々長くなるが引用する(強調は関堂)。
97年から98年にかけて,〔筆者サンスティーン〕は「デジタルテレビ放送局の公益義務に関する大統領諮問委員会」の委員を務めた。テレビ局に公益目標の促進を義務づけるべきかどうか,その方法を審議するのが課題であった。……委員のおよそ半分はテレビ関係者であり,その大半は懸案の政府規制をおせっかいで許しがたいものと思い込んでいた。
……諮問委員会は,……報告書を書くだけの権限しかなく,誰に対しても義務を課する権限は与えられていなかった〔のだが,それにもかかわらず〕委員会は,熱烈にして意図明確,そして非常にふんだんな資金を使ったロビー活動にさらされた。放送界に関係する業界団体が中心で,その目的は,ファースト・アメンドメント 《関堂注: 表現の自由を保障する合衆国憲法第一修正条項》 を盾に,いかなる公益義務も違憲だと示唆することにあった。……
これはもちろん自由言論の合法的な実践であった。だが,「デジタルテレビ放送局の公益義務に関する大統領諮問委員会」のメンバーの大半が放送関係者であるだけでなく,委員会そのものがファースト・アメンドメントをめぐって偏向した信じがたい解釈で塗り固められているというのは,どこか変だろう。……〔全米放送局協会(NAB)や,銃所持の権利を認める合衆国憲法第二修正条項(セカンド・アメンドメント)を持ち出す全米ライフル協会(NRA)は,いずれも同様に,〕その社会・経済利害が問題にされている当の連中が,見せかけの原則と社会的体面を示すために,異論があっても憲法を利用して,救いがたく党派的で自分勝手な自分たちの主張をごまかそうとしている。
わが国のマスメディアも同様である。例えばここ数年の話題だけでも,有害な表現の規制,著作物の再販価格維持制度,個人情報保護制度,裁判員制度における守秘義務の問題など,本質的な問題はさて措いてともかくすぐ表現の自由ないし報道の自由,知る権利を持ち出す。
それでいいのか? 自分が発信し,または受信したい何らかの表現に対する政府の合理的な規制をも排除する目的で,憲法によって保障される言論の自由(表現の自由)を持ち出す(それはマスメディアに限られない)ことの愚は,同書でよく説かれている。
見たもの・聴いたもの
- ぶらり途中下車の旅 ―常磐線・絶品 800円で極上の鉄火丼 (日本テレビ, 9:30~10:00)
- Tronika ― Sketch Show (CD: cutting edge/CTCR-40156)
- プロボクシング トリプル世界タイトルマッチ ―WBA バンタム級暫定タイトル戦: 戸高秀樹×フリオ・サラテ, WBC スーパーバンタム級タイトル戦: オスカー・ラリオス×仲里繁, WBC バンタム級タイトル戦: ウィラポン・ナコンルアンプロモーション×西岡利晃 (日本テレビ, 19:00~21:24 <30分延長>)
- Loophole ― Sketch Show (CD: cutting edge/CTCR-14278)

