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2005年 12月 1日 (木)

早くも 12月になってしまった……。


昨日の午後 行った AOTS 関西研修センターの “中国市場経済研修コース―商標管理―(CNME-2)” での講義で受けた質問とそれに対する私の答え,いずれ他の文書に記すがとりあえずここにメモしておく。

  • 中国では商標権侵害の認定で消費者における誤認混同があったかどうかが重視されるが日本はどうか。

    商標権の侵害の成否は,登録商標と侵害に用いられた商標とが同一または類似かどうかで判断する。もとより商標には出所表示機能があるため,同一・類似の商標が用いられることで結果的に消費者に誤認混同が生じることはあるが,あくまで商標の同一・類似が判断基準になる。なお,消費者(需要者)に誤認混同を惹き起こさせる行為は不正競争防止法で規制される。

  • 配付資料で,日本の商標法は 「登録を原則としつつ,一定の範囲内で未登録の使用商標が登録商標に優先し,またはこれと併存する」 とあるが,未登録の使用商標(特に周知・著名になったもの)が何らかの権利を有するということか。

    未登録の使用商標に登録商標のような権利が与えられるという意味ではなく,他者が登録しようとするのを妨げ,あるいは他者が登録しても使用できるという効力を持つに過ぎない。もっとも,周知または著名な表示(商標・標章等)は不正競争防止法によって保護される可能性がある。

  • 日本では営業と切り離して商標権を移転(譲渡)することが認められていて,これは商標の機能についての考え方が出所表示から品質保証へと移り変わっていったことを意味するとの説明があったが,今一つわからない。

    商標(役務商標を含む)は元来,誰がその商品・役務を製造・販売・提供等しているのかを示すという出所表示機能と,当該商標の付された商品・役務の品質・質を担保するという品質保証機能との両方を持っていると考えられる。このうち前者を重視すれば商品・役務とその主体の営業とを切り離すべきではないということになろうが,後者を重視することで,その商品・役務の質が保証されているのであれば当該商品・役務を誰が製造・提供等しているかは重要でなくなってくる。営業から切り離された商標権を譲り受けた者についても,自らの利益のためには譲受した商標権の価値を損なわないように品質・役務の質の維持に努めるであろうことが期待されるので,その点では問題ないものと考えられる。

  • 営業と切り離しての商標権の移転は 「一定範囲内で」 認められると資料にあるが,これはどういうことか。

    これは,例えば非営利の公益事業に係る商標権は当該事業と切り離して移転できない(商標法24条の2第2項・同3項)とされていることを意味するもので,移転について権利が制限されるというような意味ではない。商標権の移転は,上記のような例外を除き,原則として自由にできる。

  • 専用使用権の効力について説明してほしい。

    商標の専用使用権は,特許における専用実施権と同様,専用使用権者が設定行為で定めた範囲内で登録商標を使用する権利を専有できるものである(商標法30条)。したがって,専用使用権が設定されると,設定行為で定めた範囲内では商標権者自身でさえもその登録商標を使用できなくなる。また,専用使用権者は,自己の専用使用権を侵害する者に対して自らの地位に基づいて独自に差止請求をすることができる(商標法36条)。

  • 専用使用権が設定された商標権が第三者によって侵害された場合,商標権者自身は当該第三者を訴えることができるのか。

    設定行為で定めた範囲内で商標権が侵害された場合に専用使用権者が差止請求できることは上記のとおりだが,商標権者自身も自己の商標権を侵害されたものとして差止請求ができる。商標権者は自己の商標権を譲渡(移転)したわけではないのだから。

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