2008年 1月 28日 (月)
読んだ記事から
- 朝日新聞 2008年1月27日 3面: テレビどこへ 選択のとき - ネット配信、放送変える
なぜ民放各局は、ネット配信に及び腰なのか。……結局、民放各局の本音は「本来の番組の視聴率低下でCM収入が減るのが怖い」(メーカー関係者)だ。……日本時間8日の米ラスベガス。松下電器産業がユーチューブと提携してネット接続しやすいテレビを米国で売り出すと発表すると、会場にいた民放キー局の役員は声を出して驚いた。「テレビ番組の違法投稿が多いユーチューブをテレビで映すとは。不愉快だった」
この民放キー局の役員の発言,とりわけ
「不愉快」
というのは,まったく “ケツの穴が小さい” としか言いようがない。もう少し穏当な表現を選べば,視野が狭く,道理をわかっていないということだ。確かに YouTube では,主にわが国の「テレビ番組の違法投稿」
が横行しているかもしれない。しかしそもそも,なぜテレビ番組の違法投稿がなされるのかを,この役員は考えたことがあるだろうか。改めて DVD を求めてまで見たいようなドラマ等なら格別,ちょっとした情報番組を見逃したりしてもう一度見たいようなときなど,ネットでオンデマンドで配信されていれば便利なことこの上ない。しかし,そもそも当の放送局はそうしたアーカイヴを広く流通させる気がないではないか。しかして,それが YouTube にあるとなれば見たいし,その需要を受けて違法投稿という供給がなされるのは,ある意味自然なことだ。
コンテンツの内容・性質によっては,一度放送した後はもはや無償で提供してもいい,というよりむしろそうしたほうが情報の価値が高まるものさえあるだろう。そうしたものですら 「権利」 と称して囲い込みをしようとするところに,情報共有に対する無知と料簡の狭さ ――そして広告料に対するがめつさ―― が見て取れる。東京MXテレビ による YouTube のサイト を見てみよ。こういったコンテンツを放送局自ら提供してくれれば,それと同一内容の違法投稿モノなど見る必要がないし,それゆえ投稿もなされない ――当然の理だ。
見たもの・聴いたもの
- Aero ― Jean Michel Jarre (CD+DVD: Warner: Aero Productions / 2564 618512-2)
- Téo & Téa ― Jean Michel Jarre (CD: Warner: Aero Productions / 2564-69976-8)
- Hong Kong ― Jean Michel Jarre (CD: Disques Dreyfus / FDM 36145-2)
最近,ジャン・ミシェル・ジャールを再評価してヘヴィ・ローテーションしている。一時は小室哲哉とコラボレートするなどして興味がやや失せたのだけど,新作の “Téo & Téa” が特にいい。
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