2009年 2月18日 (水)
昨日のミクシィ関連記事 に反響があったので,勢いで今日も書く。長いよ。
昨日は,ミクシィがユーザーをしていちいちそのサイトを訪れさせるのは「広告とページビューとが関係しているのではないか」との邪推を書いたが,これは少なからず当たっていると自負している。その根拠を示そう。それは私が感じるミクシィの最も嫌な点の一つでもあるのだが,要するに,とにかくサイトのユーザー・インターフェイスが最悪だということだ。
ミクシィ利用者で,右の画像を目にしてイライラした経験のある人は少なくないだろう。ミクシィで他のユーザーのページを閲覧していると,“フォト”とか“ミュージック”といったメニュー画像が並んでいるが,それらを閲覧しようとクリックして現れるのがほとんどこの「まだ何もありません」だ。アイコンがかわいいといえばそうかもしれないが,何度も見せられると人を食ったように感じられて腹立たしくなってくる。
さらにもう一つ具体例を。ミクシィではユーザーがそのトップ・ページに自分の写真というかアバターというか,何らかの画像を自分の象徴(?)として掲載することができるようになっているが(画面の左上方向にある),あそこには必ず「ほかの写真を見る」というリンクが表示されている。ところが,そのユーザーが画像を一つしか掲載していなくても(それどころか一つも掲載していなくても),このリンクは表示されているのだ。結果,このリンクをクリックしていざ表示させてみても,ほかの写真はないということに。
なぜこれほどまでにユーザー・インターフェイス(ユーザビリティとかサイト・デザインと言ってもよかろう)が悪いのだろう。上記などはいずれも,サイトの作り方次第で解消できる問題のはずだ。例えば,ページのテンプレートで条件分岐を使って,リンク先のコンテンツがない場合はリンク(アンカー)を張らないとか,見た目をグレーアウトにするなどして無効を示すとか,それほど難しい技術ではないはずだ。なのにそれをすらしない。
思うに,ミクシィはユーザーにとにかくページを移動してもらいたいと,無駄なリンクをクリックすればそのたびに別のページが開いて広告を見てもらえると考えているのではなかろうか。ユニークな閲覧者がそれほど多くなくても,その閲覧者が何ページも見てくれればページ・ビューが増える。そのたびに広告が表示されれば,その数をもって広告主にアピールすることができる。
このことがまさに,昨日言及した,自社サイトへの誘導に躍起になることとも繋がる。とにかく何かしらミクシィのサービスを享受したりコンテンツを楽しむためには,ユーザーはミクシィのサイトを訪れないといけないのだ。
現在でも,例えばメッセージ通知機能がそのようになっている。あなたがミクシィにおいて他のユーザーから(ダイレクト・)メッセージを受け取った場合,それをメールで通知するように設定していたとしたならば,実際,ミクシィからメールは送られてくる。しかしそのメッセージ自体の全文は当該メールに掲載されていないので,ミクシィのサイトを訪れない限りそれを読むことはできないのだ。他方,こうした連携に優れた Twitter では,同じくダイレクト・メッセージを受け取った際のメール通知設定があるが,その通知メールでメッセージの全文を読むことができて,いちいち Twitter のサイトを開くまでもない。
要するに,こうしたミクシィの不便さというのがいずれも広告なりページ・ビューという点から説明できるのであって,ゆえに私の邪推が当たっていると思うし,API 開放も中途半端であろうと推測するのだ。もっとも,引き合いに出した Twitter はそもそもミクシィのようなセコい広告収益モデルに依存していないという意味では異なる。しかしながら,ユーザーから見ればソーシャルなメディアないしコンテンツであるという点で同じ。だとすれば,先述したユーザビリティの意味あいからも,ミクシィが今後,自社の広告収益モデルに拘泥せずにユーザーに対してどれだけ親切になってくれるのかが,わが国のソーシャル・ネットワーキングの未来を決めるのではないかな(ちょっと大袈裟な言い方で,かつ私は悲観的だけど)。
ビジネス・ニュース・クリップ
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見たもの・聴いたもの
- East Rain ― Shri (Online: Digital Tunes: Drum the Bass / 5055054500131)
- Frank Zappa Meets the Mothers of Prevention ― Frank Zappa (CD: Rykodisc / RCD 10547)
- Return of the Brecker Brothers ― The Brecker Brothers (CD: GRP / MVCR-116)
- リゲティ: ピアノのための練習曲第1巻 / ピアノのための練習曲第2巻 / ムジカ・リチェルカータ / ピアノのための練習曲第3巻 《 Ligeti: Études pour Piano (Premier Livre) / Études pour Piano (Deuxième Livre) / Musica Ricercata / Études pour Piano (Troisième Livre) 》 ― Aimard (p) (CD: Sony Classical / SRCR 2130)
- ライヒ: シティ・ライフ / ニュー・ヨーク・カウンターポイント / エイト・ラインズ(八重奏曲) / ヴァイオリン・フェイズ 《 Reich: City Life / New York Counterpoint / Eight Lines (Octet) / Violin Phase 》 ― Diry (cl) / Mistry (vn) / Ensemble Modern, Rundel / Lubman (CD: BMG: RCA / BVCC-31070)
- Burnt Weeny Sandwich ― Frank Zappa / The Mothers of Invention (CD: MSI / MSI 80038)
- 久米宏のテレビってヤツは!? ―近ごろの男はなぜ女性とラブホに行っても何もしない?▽草食系? (毎日放送, 22:00~22:54)
- あらびき団 ―夢の競演ナベアツ結成ユニット▽雨上がり&ココリコ&ガレッジ! (毎日放送, 24:55~25:25)
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