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2009年 12月 8日 (火)

この数日の間に,たまたま朝日新聞の記事中に「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(いわゆる「プロバイダー責任制限法」)に関する記述を見かけたのだが,気になる点があるのでここに書き留めておく。

HPで知人中傷 逮捕 - 49歳男性 名誉毀損容疑

法務省が昨年中に確認したネット上の人権侵害は515件で過去最高だった。プロバイダー責任制限法(02年施行)は、不当な書き込みは接続業者が削除できると定めるが、強制力はない。

朝日新聞 2009年12月5日付 36面

ネット上の違法海賊版 接続業者監視義務 - 政府方針

現在、02年に施行されたプロバイダー責任制限法によって、ネット接続業者は、著作権者からの連絡を受けた後、違法ファイルの削除などの対策をすることになっている。

朝日新聞 2009年12月8日付 29面

プロバイダー責任制限法は,その3条において,プロバイダー(「特定電気通信役務提供者」のことを言い,インターネット接続サービスを提供するプロバイダーのみならず電子掲示板の管理者なども含む)の不法行為法上の損害賠償責任の制限について規定している。すなわち,プロバイダーにおいて一定の要件を満たせば,プロバイダーが提供・関与する情報流通による権利侵害を主張する者に対して責任を免れ(3条1項),他方プロバイダーが情報の送信防止措置(記事等の情報の削除)をした場合においても,一定要件を満たせば,当該情報を書き込むなどした発信者に対しても責任を免れる(同2項)と定めている。しかしこの法律の規定によって直接,プロバイダーが「削除できる」とか「削除などの対策をすることになっている」という権限や義務があるというようには到底読めない。

記者の事実誤認だと思うのだが如何。それとも,他人の権利利益を侵害する(と思しき)情報をプロバイダーが削除するのは,プロバイダー責任制限法の解釈・運用において既定路線ということにでもなっているのだろうか。

なお,前者の記事では被害主張者がプロバイダーに削除を申し出ても「判断が難しい」などとされ応じてもらえなかったと述べている。まさに,“プロバイダー責任逃れ” と揶揄される実態が垣間見える。大手の著作権等管理事業者から申し出があった場合には一も二もなく削除するよう運用していると仄聞するが,一般の人にはプロバイダーは冷たいようだ。

ビジネス・ニュース・クリップ

  • 日経産業 4面: [徳久昭彦のデジタルコミュニケーション] ツイッター - 新しい知的再生産の可能性
    曰く,「この新しいコミュニケーションが広告・マーケティングに、どのような影響を与えていくのか、今のところ明確な答えはない。しかし、検索エンジンがキーワードという切り口で雑多なウェブページを整理したように、デジタル化された情報が何らかの形で知的再生産につながっていく可能性は否定できないだろう」と。
  • 日経産業 3面: グーグル 日本語入力で攻勢 - 携帯向けに音声ネット検索 - 膨大な検索履歴活用 〈クラウドで高精度変換 日本勢の脅威に - 事業モデル見直し迫る〉
  • 日経産業 9面: [ネーミング NOW] ネーミング&コピーライター 岩永嘉弘 ワコールの「スゴ衣」冬用肌着
  • 日経産業 4面: スーパーマリオ4日間で93万本 - Wii向け新作販売数
  • 日経産業 7面: トレンドマイクロ 「PSP」向け有償化 - ウェブ安全管理サービス
  • 日経産業 4面: 高齢者向けゲーム機 熊本県、補助金対象に - バンダイナムコ 認知症予防で認定

見たもの・聴いたもの

  • OxygeneJean-Michel Jarre CD+DVD: EMI: Aero Productions / 50999 5141360 6)
  • Oxygene 7-13Jean-Michel Jarre CD: Epic: Disques Dreyfus / EK 68009)
  • Volleyed IronKettel CD: U-Cover Records / u-cover18)

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この記事へのコメント [1件]

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関堂幸輔
Posted on 2009-12-09, 03:42:07 JST

追記:

その前者の記事を要するに,被害者の知人が被害者を中傷する内容の記述を自身のウェブサイトに掲載していたところ,被害者は知人サイトの媒介・提供者であるプロバイダーに削除を申し入れたが応じてもらえず,警察に被害届を出し,それによって当該知人が逮捕された,ということのようである。

民事の特別法であるプロバイダー責任制限法3条1項は,プロバイダーにおいては少なくとも,情報流通を知り,かつ当該情報流通によって権利侵害ありと知ることができたと認めるに足りる相当の理由があれば,その責任を免れない趣旨であるとされる(これは2ちゃんねるの動物病院事件判決が傍論で述べた)。

しかし今回の顛末からすると,一個人が権利侵害を主張して対応を求めても,警察が動かない限り,プロバイダーは「権利侵害ありと知ることができ」なかったと言うつもりなのだろうか?……まさに “責任逃れ法” だ。


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