Amazon Music Unlimited を解約した

投稿者: | 2023-01-01

2023年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


Amazon が提供する音楽配信のサブスクリプション・サービスである “Amazon Music” のうち、高音質かつ制限なしの “Amazon Music Unlimited” を約1年に渡って利用してきたが、今般これを解約した。解約の理由は頗る単純で「使わないから」と「不便だから」である。

Amazon Music
Amazon Music の Windows アプリケーション

Amazon はかねてから利用していて永らくプライム会員にもなっていたところ、この状態ですでに Amazon Music はある程度利用できていたわけだが、2021年6月9日から日本でも Amazon Music Unlimited において追加料金なしでハイレゾ音源配信の Amazon Music HD が利用できるようになったことで、Unlimited 契約に対するインセンティヴはおおいに高まっていた。そんな中で2021年末に「最初の3カ月が無料となるキャンペーン」があったことで、ものは試しとばかりに Unlimited を申し込むに至った。

なるほど聴ける楽曲は頗る多く、「HD」の名のとおり CD を超える音質(=ハイレゾ)の音源も相当数あるようだ。もっとも Amazon の言い方では、CD と同等のスペック(44.1kHz/16bit)を「HD」とし、それを超えるものを「Ultra HD」と称しているようで、厳密には後者のみが「ハイレゾ」ということになろう。それでも CD と同等以上の音質のストリーミングがこれだけ充実しているのは大したものだ。

さて、関堂はこの Amazon Music Unlimited/HD をどう使うか? 一般的には、通勤・移動中にスマートフォンのアプリで聴いたり、あるいは仕事中のデスクで BGM として流しておいたりという利用が想定され、そこでは特定のアルバム作品を聴く以外にも、何らかのプレイリストを流しておいて新しい音楽に出逢うということも考えられる。しかし、関堂は上記のような場面ではもっぱら自分のライブラリーを聴いている。

それ以外では、初めて接する楽曲を探したり、どこかで聴いたことがある楽曲を確認したりというときに、ネットで検索して曲名やアーティスト名を探し当て、それを Amazon Music で聴く、ということは実際に何度かあった。そしてそうすることはそれなりに便利で、その際にそれ相当の音質で目的の楽曲を聴くことができることもそれなりに意義があった(と思う)。しかし楽曲の確認程度であれば YouTube やその他の無償のリソースでも(多少不便ではあるかもしれないが)できないことはない。結局「使う場面がない」ということに尽きるわけだ。

保有ライブラリーにこだわる理由

では関堂がサブスクリプションに頼らずに自分の保有する音楽ライブラリーにこだわるのはなぜなのか、とりわけ Amazon Music が自分のライブラリーに比して「不便だった」とする点を中心にその理由をいくつか挙げてみよう。

Last.fm との連携

一つは「聴いた楽曲のログを取る」のに Amazon Music は頗る不便であった。これまでも何度か言及しているように、関堂は Last.fm というサービスを利用してほぼリアルタイムに聴いている楽曲のデータを記録・公開している。この Last.fm への楽曲データの送信(これを Last.fm では「scrobble」と称している)は RSS(RDF Site Summary)で行うのだが、そうするためにはこれに対応している(または Last.fm のアプリケーションに連携できる)アプリケーションで楽曲を再生する必要がある。

もっとも、いくつかのアプリケーション等ではストリーミング再生でも scrobble できるものはある。例えば、Chrome ベースのブラウザー(Microsoft Edge もこれに含まれることは周知のとおり)ではストリーミング・サービスでの楽曲再生を Last.fm に scrobble してくれる 拡張機能 もある。しかしその場合でも、次に紹介する表記の問題がある。

楽曲データの表記の問題

Amazon Music を利用し始めた当初からかなり失望させられたのは「表記」の問題だ。アプリの言語表示は変更できるのだがこれはあくまでメニュー項目等の表記の変更であり、Amazon のアカウントが日本のものである場合は洋楽であっても「アーティスト名」や「曲名」等がカタカナだったり邦題だったりで表記されることが多い。おそらくこれは、配信音源の提供元であるレコード会社ないしレーベルがそうしているためだと思われるが、洋楽にあってはとにかく萎える。

そもそも関堂は、音楽に関してはダウンロードしたデータにせよ CD から自身でリッピングしたデータにせよ、「アーティスト名」「曲名」その他の情報の表記には神経質で、Mp3tag というアプリケーションを使って、ダウンロード・データの場合は既存のタグを修正するし(だいたいライヴ盤の各曲目に括弧書きで「Live」をいちいち加えるとか要るか?要るとしても「タイトル(曲目)」ではなく「コメント」だろう)、ましてや CD のリッピング・データでは必ず自分で手入力している。特に後者ではインターネット経由で自動的に曲目等を入力できるサービスもあるが、欧文でも大文字・小文字の使い分けなどを含めて、他人任せには決してできない性分なのだ。そんな関堂が、音楽を再生するだけならまだしも、Last.fm に記録する際に洋楽をカタカナ表記で行うなど、許されようはずがない。

聴けるアルバムの善し悪しと一覧性

もう一点 Amazon Music を利用していて気になったのが、Amazon のライブラリーに公式リリース作品(アルバム)でないものが含まれていたことだ。「海賊盤」というほど下品なものではないがこうしたアルバムはライヴ盤に多く、例えば、実際に行われたライヴ・コンサートの様子を(アーティスト側との合意に基づいて)放送用に録音・録画しておいたであろう音源を、後になって当該アーティストの(当時の)所属レコード会社(レーベル)とは異なるレコード会社がリリースしているような場合がほとんどである。こうした作品は「放送用音源」であることからそれなりの音質なものが多いが、中には客席からの隠し録りの海賊盤と同程度の粗悪なものも含まれており、そうしたものと公式アルバムとが雑然と混在しているのは如何と思う。

話は逸れるが、ライヴ・コンサートの観客が「隠し録り」した音源の CD をネット・オークション・サイトで取り引きする際に、商品説明において「オーディエンス・マスター」などと格好つけて表記するのは悪習でやめるべきだと思う。閑話休題。

また Amazon Music を利用していた際に、特定のアーティストの作品を年代順(録音順またはリリース順)で閲覧したいことが多々あったのだが、Amazon のライブラリー表示ではそれが難しそうだった。すなわち「アーティスト名」で検索してそのアーティストの作品を「すべて表示」しても、一連の作品の並び方がバラバラで、「年代順」や「表記順」でソートすることさえできないし、各作品がアルバムなのかシングルなのかも(予備知識なしでは)各作品の詳細を開いてみるまでわからないようだった。これは不便極まりない。

Amazon Music Unlimited の終了を告げるメールの画面
Amazon Music Unlimited の終了を告げるメールの画面

このような事情から、結局関堂は Amazon Music に月額800円余を費やすことが無駄であると判断して、Unlimited のサブスクリプションの解約を2022年11月中旬に行った。そして締日(?)の同年12月11日の終了をもって、関堂は Amazon Music Unlimited が利用できなくなったのであった。

Amazon Music でこういう次第だったので、おそらくは Spotify、Apple Music その他のサブスクリプション・サービスでも同様の結末になるであろうことは想像に難くなく、関堂は、上記の一連の問題が解消されない限り、音楽のサブスクリプションを利用することはないだろう。

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