音楽サブスクリプション再び

投稿者: | 2024-11-05

かなり久しぶりの更新になってしまい面目ない。書こうと思っているものの、なかなか筆が進まないもので……


さて本題。「使わないから」という理由で2022年12月に Amazon Music Unlimited を解約して以来、音楽のサブスクリプションとは無縁の状態が続いていたが、雑誌の記事等で紹介されていた楽曲やアーティストの作品をちょっと聴いてみたいというときに、やはりサブスクリプションがあったほうが便利な気もしていた。YouTube 等の無償のリソースを探すのは骨が折れる(ゴミのような情報があまりにも多くて検索の質が落ちているのももちろんある)し、音源をダウンロード販売しているサイトでのせいぜい1分程度の試聴では物足りない……かといって楽曲やアルバムを即座にダウンロード購入するわけでもないという場合に、サブスクリプションを頼りたい気持ちが生ずる。

ところで、Amazon Music Unlimited を解約した大きな要因は、以前述べたように①洋楽のカタカナ表記が耐え難い、②自分の音楽ログとしての Last.fm との連携がうまくできない(前記①のカタカナ表記とも関係する)、そして③作品(アルバム)一覧が使いづらい、というものだった。

他方前記のような目的・理由から音楽サブスクリプションへの興味が再燃し始めていろいろ自分で調べたところ、上記①のカタカナ問題は、どうやら Spotify(スポティファイ)では解決できるらしいということがわかった。

Spotify の Windows アプリケーションの画面
Spotify の Windows アプリケーション

すなわち、Spotify のアプリケーションで言語を「英語」などに設定すればよい、ということだ。iPhone(iOS デバイス)では「設定」においてアプリケーションごとに言語が選べるのでそこで、Windows ではアプリケーション内の設定で言語を選択することができる。そうすると、アプリケーション上ではカタカナで表示されるものもあるが、Last.fm への投稿(scrobble)ではちゃんと欧文字表記になっている。それならばとりあえず「耐え難い」ほどではない。ちなみに Last.fm への投稿はすこぶる簡単で、Spotify のアプリケーション(またはウェブ)上で Last.fm への連携を設定(Last.fm のサイトが開き、Spotify の連携を許可するか尋ねられるので許可)するだけだ。これで Spotify で聴いた楽曲は自動的に scrobble される。

また Spotify では、PC のアプリケーションでもスマートフォンのそれでも、検索や一覧がしやすくなっている。とりわけアーティスト名で検索して特定のアーティストを表示した際に、“Popular releases” から “See discography” を辿ることによって、公式アルバムがちゃんと年代順(新しいものが上。もっともリマスター作品などは新リリース扱いで新しいものとして上のほうに表示されることもあるようだ。)に並んでいる。これは Amazon とは大違いだ。それゆえ関堂は、去る9月21日から Spotify の1カ月間の無料試用を開始し、10月以降は Premium Standard で継続することとして利用し続けている。Spotify の弱点は周知のとおり「音質」で、せめて CD 同等(44.1kHz/16bit)の可逆圧縮であればとも思うが、冒頭に述べたような「ある楽曲・作品を買うまでもないが聴いてみたい」という目的上は耐え難いほどではない(むしろ洋楽カタカナ表記のほうがよほど耐え難い)。


こうして関堂の音楽サブスクリプション生活は復活したのだが、ほどなくしてさらに動きがあった。Qobuz(コバズ)がいよいよサービスを開始するという。

Qobuz はフランス発祥の高音質ダウンロード&ストリーミング音楽プラットフォームで、その運営を手掛ける Xandrie S.A. が日本におけるオンキヨー(株)の e-onkyo music 事業を取得したことで、日本でのサービス展開が実現した、という訳だ。実は Qobuz を巡っては、2021年10月にはすでに事業承継がなされいったん昨年(2023年)12月にサービス開始との報せがあったがどういう理由からか延期となっていたところ、とうとう満を持して今年の7月半ばより e-onkyo からのサービス移行、10月23日にプレオープンという運びとなった。

Qobuz の Windows アプリケーションの画面
Qobuz の Windows アプリケーション

関堂はプレオープン当初は静観(e-onkyo 時代の音源の再ダウンロード等も必要なかったので)していてサブスクリプションのストリーミングはあまり使う気がなかったが、どのみち1カ月の無料試用期間も設けられていることだし、ダメならやめればよかろうとのことでストリーミング・サービスの登録もしてみた。

しかして、なるほど確かに音はよい。PC のアプリケーションから DAC 経由でちゃんと 192kHz/24bit の再生もできる。スマートフォンから DAC 経由でのハイレゾ再生はしていない(スマートフォンからはもっぱら Bluetooth イヤホンで聴く)が、スマートフォン・アプリのインターフェイス等はそれなりにしっかりしていそうだ。それぞれアプリケーション内で言語設定ができ、それを英語にすることで、Spotify 同様(アプリケーション上でのカタカナ表記は残ることはあるが)Last.fm への scrobble ではちゃんと欧文字になっている。また Last.fm とのアカウント連携も Spotify 同様至極簡単だ。ブラウザー拡張機能等が不要な点は大変よい。

デノン DCD-SX1 を DAC としてハイレゾ・ストリーミング再生
デノン DCD-SX1 経由でハイレゾ再生

Qobuz の弱点は、高音質ゆえそれだけ扱うデータ量が増え、通信に負担がかかる点だ。スマートフォンのモバイルデータ通信では、MVNO 回線を利用している関堂の環境では、最高音質だと途切れがちになってしまう。また PC のサウンドカード等のハードウェアがハイレゾに対応していない場合は、音が出せないことはないが、せっかくの高音質を活かせなかったり、出力の設定が難しかったりということがあろう。

また、Spotify が多様なデバイスやプラットフォームに対応して、なおかつそれらの間でスムーズに連携できるという大きな利点があるのに対し、Qobuz はその点でいま一歩だ。例えば Spotify には Amazon Fire TV Stick 向けのアプリケーションがあるのに対し、Qobuz のそれはまだない(もしかしたら日本向けにないだけかもしれない)。さらに、Spotify では同一アカウントで使用している複数デバイス上のアプリケーション同士で連携が取れるようになっている。すなわち、PC(Windows)の Spotify アプリケーションで再生しているときにスマートフォン上の Spotify アプリケーションを開くと、PC で再生している旨の表示がなされ、しかもその操作までできるようになっている。これは非常に便利だ。

Fire TV での再生時の Spotify スマートフォン・アプリの画面
Fire TV 再生時の Spotify スマートフォン・アプリ

他方 Qobuz では、実際に Windows のアプリケーションで Qobuz を聴いている際にたまたまスマートフォン・アプリを誤って操作してしまったところ、「現在 PC でアプリケーションが動作しているので操作できません」というようなメッセージが表示されてしまった。これは前記の Spotify と比較するとすこぶる残念な仕様だ。是非この点は改善してほしい。

さらにもう一点 Qobuz での問題点は Last.fm への scrobble においてだ。通常 scrobble は楽曲(トラック)の半分以上または一定時間(約3分)の再生によりなされるのだが、どうやら Qobuz では一瞬でも再生されるとそのトラックは Last.fm にscrobble されてしまうらしい。すなわち、例えばある楽曲を Qobuz で再生している際に途中でいったん停止し、そこからまた再生を再開すると同じ楽曲が2回 scrobble されてしまうのだ(もちろん同様の操作を繰り返すと scrobble も3回、4回となってしまう)。通信環境等により再生がいったん途切れたような場合も同様に scrobble が重複してしまう。これは Qobuz の側でなんとかしてほしいと思う。

そういう次第で、いまのところは SpotifyQobuz との二刀流になっている。ライブラリー(取扱楽曲数)の充実度はそれほど差がない(スマートフォンの Qobuz アプリのレビューではさかんに「日本の曲が少ない」などと書かれているが、関堂にはほとんど関係ない。他方 Spotify のプレイリスト押しつけ機能もまず使わない)と思われるところ、使い勝手という点では前者が、他方やはり音質という点では後者がそれぞれ優位で、どちらも棄て難いところだ。二つのサブスクリプションで1カ月合計が約3,000円……そのぶん CD やダウンロード音楽データの購入が減ると考えると、さほど高いとは言えないかもしれない(まあ Zappa の蔵出し音源はこれからも買っちゃうんだろうけど)。

タモリ倶楽部リマインダー

投稿者: | 2023-06-03

タモリ倶楽部” というテレビ番組がある……いや、かつてあった。主たる出演者は、番組名にも冠されているとおり、タモリさん。ハウフルス(番組制作会社)および田辺エージェンシー(タモリさんの所属事務所)との共同制作で、テレビ朝日が地上波で毎週金曜深夜(土曜未明)に1982年から40年あまりに渡って放送してきたが、テレビ朝日の本放送は今般2023年3月末(正確には4月1日未明)をもって終了した。

関堂は、札幌の実家住まいだった比較的初期の頃からこの “タモリ倶楽部” を好んで視聴していたところ、その後大学生となり関東地方に住んだことで本放送を堪能していた。ところが2005年に大阪に赴任して驚いた。“タモリ倶楽部” が金曜深夜に放送されておらず、他の曜日の丑三つ時あたりに、しかも本来の放送より3カ月から4カ月も遅れて放送され、場合によってはプロ野球中継放送延長の煽りを食って放送があったりなかったりという有様だったのだ’(なお2019年3月までの一時期には、他番組と一括りにされて放送されており、電子番組表を使った録画では前半を飛ばさないと “タモリ倶楽部” を見られないという酷さであった)。

関西一円を放送圏とするいわば準キー局である朝日放送(現・朝日放送テレビ=ABC)がなぜこのような仕打ちを続けていたのか、理由はわからない。「もともとキー局であるテレビ朝日と仲が悪い」だとか、「朝日放送の看板番組である “探偵!ナイトスクープ” がテレビ朝日で虐げられていることへの意趣返しだ」とか、いかにももっともらしい推測もあるが、本来の放送より3カ月以上遅れで、しかも曜日と時間をころころ変えて放送し続ける(そこまでするのならむしろ放送しないでもらったほうがよほど諦めがつく)などという愚行に合理的理由などあろうはずもなく、今となっては単なる嫌がらせとしか思えない。

そういった次第だったので、関堂は自身の Twitter で “タモリ倶楽部リマインダー” という投稿を2011年8月からするようになった(当該投稿一覧)。開始当初は、自分が見逃したり録画し忘れたりすることのないように、自分用のメモたるまさに「リマインダー」として投稿していたのだが、実は関堂の自宅ではその後まもなくいわゆる「全録」タイプのレコーダーを導入したことによって、見逃す心配はまったくなくなっていたのである。ただそのレコーダー導入に前後して、Twitter でフォローし合っているリアルの友人・知人(特に関西在住の)から「“タモリ倶楽部” のツイート、実は見ていて役に立っているよ」とか「サブタイトルもツイートに入れてほしい」などと言われたことがあった。また、同時期に某メールマガジンにおいて「タモリ倶楽部リマインダーを投稿しているツイッター・アカウント」というような感じで紹介されたこともあったようで、なんだか引くに引けなくなったというのもある。そして誰かしらがこうやって発言していくことで、テレビ放送、とりわけ民間放送のそれが地域によって別々にされていて、ある地域の人々はその放送区域以外の放送を(局自身がネット配信でもしてくれない限り)思うように視聴できないという、ネットでコンテンツを享受しうる今日にあっては馬鹿げたこの状況を知ってほしかったというのもあった。

さて10年以上に渡って関堂が続けてきたこの “タモリ倶楽部リマインダー” は、関西での約3カ月遅れの放送もどうやら最終回を迎え、いよいよその役目を終えようとしている。タモリさんもまもなく80歳にならんとしているし、41年に渡って続いた長寿番組とはいえ未来永劫続く訳はなくいつか終了するということは、もちろんわかっていた。しかしあらためてその終了の時を迎えようとしているいま、感慨深いものがある。

“タモリ倶楽部” について、再放送(BS波・CS波でよくやる「一挙放送」も)やネットでのアーカイヴが望むべくもないことは重々承知している(2020年のいわゆるコロナ禍では例外的にやむを得ず再編集の放送もあったが)。いつだったかの新聞記事(?)で読んだ記憶によれば、タモリさんが “タモリ倶楽部” を開始するに当たり局や制作陣と約束したのは「反省しない」ことだったという。番組制作後の「反省会」などはもちろん、過去の放送を振り返って検証するなどまったくなし、「やったらやったで終わり」というその姿勢・スタンスこそが “タモリ倶楽部” なのだと視聴者もよくわかっている。だから、「反省」材料となってしまう再放送やネット配信は絶対ないのだろう。かくいう関堂は “タモリ倶楽部リマインダー” でたびたび「テレビ朝日は TVer 対応を!」と言っていたが、実はそれが無理筋であるということは承知の上だったのだ。

そんな我々ファン一人ひとりの記憶の中だけで保存される “タモリ倶楽部”、ここからは、関堂の個人的な思い出のエピソードを少々紹介したい。“タモリ倶楽部” では、とりわけ1992年以降 “空耳アワー” が名物コーナーとなり、それだけでもしばしば他のメディアに取り上げられることがあるが、ここではあくまでメイン・コンテンツ(?)のエピソードを扱う。


思い出のエピソード三選

まず思い出すのは、かなり昔(おそらく1980年代か90年代)の井上陽水さんがゲストの回で、「神田 “神保町” のアパートの一室で “人望” のない我々が語り合う」というテーマの放送だ。実際どんな内容の話をしていたのかはほとんど覚えていない。井上さんとタモリさんがだらだらと喋って、時折井上さんがあの調子で突如話題を振ったりして、ほんとうにとりとめのない内容だったと記憶しているが、そんな “ユルさ” がまさに “タモリ倶楽部” の真骨頂だとさえいまでも感じるほどだ。

もう一つは「芸能人顔写真麻雀」で、なぎら健壱さんが主たるゲストの回。放送局がキャスティングの際などによく使うとされる “日本タレント名鑑” に掲載されている芸能人の顔写真を麻雀牌に貼ってそれで麻雀をする、という企画ゲームものだった。氏名(芸名)に数字が入っているのを組み合わせたり、同じ事務所に所属している者を組み合わせたりするなどして役を作っていくのだが、参加者の誰だったかが「これ、どれ一つとして関連性がなければ国士無双ですよね?」と言ったのに対し、なぎらさんだったかタモリさんだったかが「絶対なにかしら関連性見つけてやる!」と言ってノリノリで麻雀に興じていたのが最高に面白かった。ロケ場所は当時のテレビ朝日社屋の屋上だったと記憶している。

そして最後に、「芸能人サイン色紙かるた」を挙げよう。かつてフジテレビ社屋があった河田町の蕎麦屋に数多掲げてあった芸能人のサイン色紙をかるたの取り札に見立てて(もちろん実物のサイン色紙ではなくコピーだったであろうが)、読み上げられた情報から芸能人を特定して当該芸能人のサイン色紙(取り札)を取って競う、というやはり企画ゲームの回。サインは崩し字で書かれているものが多いので、芸能人を特定できてもどの札なのか当てるのがひと苦労で面白い、という訳だ。主たるゲストは伊集院光さんだった。「これを取れば逆転優勝」(よくあるパターン)とされる最後の勝負で読み上げられたのが堀内孝雄さんだったところ、伊集院さんが色紙に書かれたフレーズを指しながら「この “ガキの頃のように” って堀内孝雄じゃなかったっけ……」と躊躇しているのに対し、タモリさんが「それは谷村新司だよ」と言うのを受けて伊集院さんが「あ、そっか……」と手を引っ込めるや否やタモリさんが当該札を勢いよく取って優勝した、というオチ。タモリさんはこの手のゲームにはいつも真剣に取り組んで優勝していたが、この回はその手段も含めてタモリさんの面目躍如だった。


いかがだろう。“タモリ倶楽部” ファン各位にもさまざまな思い出の回があるはず。いつか遠い将来、なにかしらの事情変更等によって、“タモリ倶楽部” のアーカイヴが解放されることもあるかもしれない。その日までは、数々の思い出を大切に仕舞っておこう。

Amazon Music Unlimited を解約した

投稿者: | 2023-01-01

2023年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


Amazon が提供する音楽配信のサブスクリプション・サービスである “Amazon Music” のうち、高音質かつ制限なしの “Amazon Music Unlimited” を約1年に渡って利用してきたが、今般これを解約した。解約の理由は頗る単純で「使わないから」と「不便だから」である。

Amazon Music
Amazon Music の Windows アプリケーション

Amazon はかねてから利用していて永らくプライム会員にもなっていたところ、この状態ですでに Amazon Music はある程度利用できていたわけだが、2021年6月9日から日本でも Amazon Music Unlimited において追加料金なしでハイレゾ音源配信の Amazon Music HD が利用できるようになったことで、Unlimited 契約に対するインセンティヴはおおいに高まっていた。そんな中で2021年末に「最初の3カ月が無料となるキャンペーン」があったことで、ものは試しとばかりに Unlimited を申し込むに至った。

なるほど聴ける楽曲は頗る多く、「HD」の名のとおり CD を超える音質(=ハイレゾ)の音源も相当数あるようだ。もっとも Amazon の言い方では、CD と同等のスペック(44.1kHz/16bit)を「HD」とし、それを超えるものを「Ultra HD」と称しているようで、厳密には後者のみが「ハイレゾ」ということになろう。それでも CD と同等以上の音質のストリーミングがこれだけ充実しているのは大したものだ。

さて、関堂はこの Amazon Music Unlimited/HD をどう使うか? 一般的には、通勤・移動中にスマートフォンのアプリで聴いたり、あるいは仕事中のデスクで BGM として流しておいたりという利用が想定され、そこでは特定のアルバム作品を聴く以外にも、何らかのプレイリストを流しておいて新しい音楽に出逢うということも考えられる。しかし、関堂は上記のような場面ではもっぱら自分のライブラリーを聴いている。

それ以外では、初めて接する楽曲を探したり、どこかで聴いたことがある楽曲を確認したりというときに、ネットで検索して曲名やアーティスト名を探し当て、それを Amazon Music で聴く、ということは実際に何度かあった。そしてそうすることはそれなりに便利で、その際にそれ相当の音質で目的の楽曲を聴くことができることもそれなりに意義があった(と思う)。しかし楽曲の確認程度であれば YouTube やその他の無償のリソースでも(多少不便ではあるかもしれないが)できないことはない。結局「使う場面がない」ということに尽きるわけだ。

保有ライブラリーにこだわる理由

では関堂がサブスクリプションに頼らずに自分の保有する音楽ライブラリーにこだわるのはなぜなのか、とりわけ Amazon Music が自分のライブラリーに比して「不便だった」とする点を中心にその理由をいくつか挙げてみよう。

Last.fm との連携

一つは「聴いた楽曲のログを取る」のに Amazon Music は頗る不便であった。これまでも何度か言及しているように、関堂は Last.fm というサービスを利用してほぼリアルタイムに聴いている楽曲のデータを記録・公開している。この Last.fm への楽曲データの送信(これを Last.fm では「scrobble」と称している)は RSS(RDF Site Summary)で行うのだが、そうするためにはこれに対応している(または Last.fm のアプリケーションに連携できる)アプリケーションで楽曲を再生する必要がある。

もっとも、いくつかのアプリケーション等ではストリーミング再生でも scrobble できるものはある。例えば、Chrome ベースのブラウザー(Microsoft Edge もこれに含まれることは周知のとおり)ではストリーミング・サービスでの楽曲再生を Last.fm に scrobble してくれる 拡張機能 もある。しかしその場合でも、次に紹介する表記の問題がある。

楽曲データの表記の問題

Amazon Music を利用し始めた当初からかなり失望させられたのは「表記」の問題だ。アプリの言語表示は変更できるのだがこれはあくまでメニュー項目等の表記の変更であり、Amazon のアカウントが日本のものである場合は洋楽であっても「アーティスト名」や「曲名」等がカタカナだったり邦題だったりで表記されることが多い。おそらくこれは、配信音源の提供元であるレコード会社ないしレーベルがそうしているためだと思われるが、洋楽にあってはとにかく萎える。

そもそも関堂は、音楽に関してはダウンロードしたデータにせよ CD から自身でリッピングしたデータにせよ、「アーティスト名」「曲名」その他の情報の表記には神経質で、Mp3tag というアプリケーションを使って、ダウンロード・データの場合は既存のタグを修正するし(だいたいライヴ盤の各曲目に括弧書きで「Live」をいちいち加えるとか要るか?要るとしても「タイトル(曲目)」ではなく「コメント」だろう)、ましてや CD のリッピング・データでは必ず自分で手入力している。特に後者ではインターネット経由で自動的に曲目等を入力できるサービスもあるが、欧文でも大文字・小文字の使い分けなどを含めて、他人任せには決してできない性分なのだ。そんな関堂が、音楽を再生するだけならまだしも、Last.fm に記録する際に洋楽をカタカナ表記で行うなど、許されようはずがない。

聴けるアルバムの善し悪しと一覧性

もう一点 Amazon Music を利用していて気になったのが、Amazon のライブラリーに公式リリース作品(アルバム)でないものが含まれていたことだ。「海賊盤」というほど下品なものではないがこうしたアルバムはライヴ盤に多く、例えば、実際に行われたライヴ・コンサートの様子を(アーティスト側との合意に基づいて)放送用に録音・録画しておいたであろう音源を、後になって当該アーティストの(当時の)所属レコード会社(レーベル)とは異なるレコード会社がリリースしているような場合がほとんどである。こうした作品は「放送用音源」であることからそれなりの音質なものが多いが、中には客席からの隠し録りの海賊盤と同程度の粗悪なものも含まれており、そうしたものと公式アルバムとが雑然と混在しているのは如何と思う。

話は逸れるが、ライヴ・コンサートの観客が「隠し録り」した音源の CD をネット・オークション・サイトで取り引きする際に、商品説明において「オーディエンス・マスター」などと格好つけて表記するのは悪習でやめるべきだと思う。閑話休題。

また Amazon Music を利用していた際に、特定のアーティストの作品を年代順(録音順またはリリース順)で閲覧したいことが多々あったのだが、Amazon のライブラリー表示ではそれが難しそうだった。すなわち「アーティスト名」で検索してそのアーティストの作品を「すべて表示」しても、一連の作品の並び方がバラバラで、「年代順」や「表記順」でソートすることさえできないし、各作品がアルバムなのかシングルなのかも(予備知識なしでは)各作品の詳細を開いてみるまでわからないようだった。これは不便極まりない。

Amazon Music Unlimited の終了を告げるメールの画面
Amazon Music Unlimited の終了を告げるメールの画面

このような事情から、結局関堂は Amazon Music に月額800円余を費やすことが無駄であると判断して、Unlimited のサブスクリプションの解約を2022年11月中旬に行った。そして締日(?)の同年12月11日の終了をもって、関堂は Amazon Music Unlimited が利用できなくなったのであった。

Amazon Music でこういう次第だったので、おそらくは Spotify、Apple Music その他のサブスクリプション・サービスでも同様の結末になるであろうことは想像に難くなく、関堂は、上記の一連の問題が解消されない限り、音楽のサブスクリプションを利用することはないだろう。

PC を新調した

投稿者: | 2022-12-27

個人用コンピューター(私物)を新しくした。現有の VAIO S11(VJS1111)は、2015年12月に注文し翌2016年1月7日に納品されたので、約7年使っていたことになるが、内蔵バッテリーがかなり劣化しているようで起動のたびにバッテリーの警告表示が出ていたし、Windows 11 へのアップグレード要件も満たしていなかったしということで、いよいよ買い換えることとした。

Vaio SX12 All B;ack Edition
Vaio SX12 All Black Edition

今回選んだのは2022年夏モデルの VAIO SX12 All Black Edition(VJS1251)で、オプションでメモリーを32GBにしたことと Windows 11 Pro にしたことによってやや高額になった。このうちメモリーについては、従来であれば単なるビジネス使用(ウェブその他の文書作成・管理)の範囲内であれば増設する必要はそれほどなかったのだが、昨今は仕事の場面で動画編集などをすることも少なくなく、やはり多いほうがよいだろうということで、これがとりわけ増額の要因となった。

そのほかにもさまざまなオプションがあったが、最後まで悩んだのがキーボードで、結局「隠し刻印」を選んだ。確かにキートップをちょっと見ただけではどのキーなのかわかりづらく、文字入力時はほとんどブラインドタッチができるが、ファンクションキー(最上段のキー)などは一瞬迷うことがある。でもせっかく All Black Edition で格好つけたんだからとことん格好つけようと思ったのだ。

2022年12月12日に梅田の ソニーストア で注文し、19日出荷、20日の晩に納品(受領)。以下、日ごとに設定した項目を備忘録として記す。

DAY 1 (12月20日 火曜日)

起動とアクティベーション。Windows 11 Pro にしたからには当然ローカル・アカウントで起動した。もちろん自宅の WiFi に接続し、インターネット接続環境もできた。もっとも新 PC は WiFi 6E(IEEE802.11ax 6GHz)に対応しているはずなのだが、この日はそちらのアクセス・ポイントにつなぐことはできなかった(翌日つなげられたが)。

DAY 2 (12月21日 水曜日)

とにもかくにも日本語入力システムとして ATOK をインストール。Microsoft 標準の日本語入力システム(IME)より「賢い」というのは昔から言われているが、関堂がとりわけこだわっているのが英数文字を入力(未確定)段階から半角にしてくれるという機能で、MS-IME では当該機能はなさそうだからだ。以前さんざんネットを検索したが MS-IME で同様のことができるという情報を得られず、他方「MS-IME では設定すれば英数字について(入力中未確定時は全角だけど)Enter での確定時に半角にできます(どやっ)」みたいなのばかりが結果に表示されて「俺がやりたいのはそれじゃない」と腹が立った記憶がある。とにかく、この「入力中未確定時でも文字種により全角・半角を設定できる」というのは地味なようだが重要な機能なのだ。

ATOK の設定画面で入力中の文字にも設定ができる。

続いて Microsoft Office を導入しなければならない。大学の教員である関堂としては、PC 本体の注文時に Office プリインストールの選択肢はなく、以前購入したものをインストールするか、新たに「アカデミック版」を購入するかだった。ところが前回購入した Office は「2016」ですでにサポートが終了している(セキュリティの延長サポートはまだあるが)。そこで新たに「2021」の永続パックを購入することも考えたが、アカデミック版でもそれなりの価格だ。そこで Office 365 ではどうかと検討してみたところ、所属する教育機関で包括的にライセンスを得ている場合は無償で個人のコンピューターに導入することもできる、とある。とりあえず今回はこの方法、すなわち本務校の Microsoft アカウントを用いて Office 365 を導入することでいったん様子を見る。ついでに Microsoft Teams も同様に本務校のアカウントで導入。

文書作成環境があらかた整ったところで、それを出力するために自宅のプリンター/スキャナー(キヤノン TR9530)のドライバーをインストール。さらにクラウド・ストレージ Dropbox は、新しいコンピューターにアプリケーションをインストールするのと同時に旧 PC からの接続を解除して移行した。

ブラウザーは、標準の Microsoft Edge に加えて Mozilla FirefoxGoogle Chrome をインストール。前者は普段のブラウジングがメインで、後者は Google Classroom その他の Google のサービス利用時を中心に使う。

この日はこれぐらいで……と思ったが、翌日22日の授業でコンピューターの画面をスクリーンに映す必要があり、これを新しいコンピューターで実現するために Microsoft Arc Mouse を Bluetooth 接続。授業でスクリーンに映し出す画面は、関堂は多くの場合パワーポイントではなくウェブページのプレゼンテーション・モードで、これをスクロールする必要があり、コンピューターに貼り付いてタッチパッドを操作するのではなく、離れた場所でもマウスで操作できるようにしておきたいのだ。

DAY 3 (12月22日 木曜日)

上記のようにこの日の1限の授業で新 PC を使用。その後空き時間には、大学の VPN クライアント(FortiClient)のインストールと、大学に設置された共有ドライブ(ネットワーク・ドライブ)への接続設定をする。またウェブカメラ OBSBOT Tiny 4K のドライバーとソフトウェアもインストールする。旧 PC では力不足でこのウェブカメラを扱えなかったのだが、今回は性能も上がっているので大丈夫だ。

自宅に戻ってからは、エディター xyzzy のインストール……といっても通常のアプリケーションのインストール作業とは大きく異なり、旧 PC の xyzzy フォルダーを丸ごとコピーしてから新 PC の環境変数を設定するというものだ。

DAY 4 (12月23日 金曜日)

この日も大学に出校したが、空き時間を使って Zoom をインストールしてアカウントを設定。これで Google Meet、Microsoft Teams および Zoom と主要なテレビ会議システムがすべて揃ったことになる。

また、Windows 7 Games for Windows 11, 10 and 8 もインストール。マインスイーパーとか麻雀(上海)とかはやっぱりこれでないと……。以前 Windows 10 でもこれらのゲームができないかとネット上を検索したが、「マインスイーパーなら Microsoft ストアにもありますよ(どやっ)」みたいなのばかりが検索結果に出てやはり呆れたものだった。

DAY 5 (12月24日 土曜日)

だいぶ落ち着いてきた。旧 PC で使っていた外付けハードディスク(5TB)を接続してその中のフォルダーをネットワークドライブに設定する。この HD にはバックアップ用のデータのほか、音楽や映像のライブラリーが含まれている。

外付け HD を移行したのに伴い、iTunes も引っ越し。ライブラリーはもともと外付け HD に入れてあったから物理的に接続し直すだけだが、iTunes は旧 PC での認証解除が必要だし、iPhone の接続を変更しなければならない(iTunes は一つで複数の iPhone 等のデバイスを管理できるが、デバイス側からだと一つの iTunes にしか接続できないらしい)。

ついでに、Windscribe という VPN 拡張機能を入れた Google Chrome で HDtracks にアクセスし、その Downloader もインストールしておく。

DAY 6 (12月25日 日曜日)

前日に音楽ライブラリーの移行を済ませたことで、いよいよ音楽再生環境 foobar2000 の引っ越し作業を行う。具体的には、まず新しいコンピューターにいったん新規で foobar2000 (ver. 1.6.5) をインストールし、それを起動する前に旧 PC 内の Program Files (x86) にある foobar2000 のフォルダと、ユーザー別の AppData¥Roaming の中にある foobar2000 の設定データを、それぞれすべて新マシンにコピーして移行完了。そしてこれと連動させる Last.fm Scrobbler も導入。なお Last.fm Scrobbler は最新のバージョンでは foobar2000 に対応していないので、レガシー・バージョン を入れなければならない点に注意が必要だ。

その後は FTP クライアント FFFTP、圧縮・解凍ツール Lhaplus、画像閲覧等アプリ Irfan View、画像編集アプリ PictBear(すでに開発終了しているが、使い勝手に慣れているので手放せない)などを次々と入れておいた。

DAY 7 (12月26日 月曜日)

前日までに整った環境を確認するため、実際に音楽を再生して聴いてみる。デノンの SACD プレーヤー DCD-SX1 を DAC として使うべく ドライバー をインストールし、ハイレゾ音源を再生。またオンキヨーのアンプ TX-NR929 に HDMI 接続をしてのサラウンド音源再生。どちらも再生できたので、とりあえずよし。

DAY 8 (12月27日 火曜日)

新しいコンピューターが届いてからちょうど一週間。この日は自宅に備えてあるウェブカメラ Logicool StreamCam のドライバーと関連ソフト Logicool Capture を導入する。この Capture が旧 PC と異なり思ったように動作しない。今後オンライン講義や会議の際にうまく使えるか、一抹の不安が残る。

DAY 9 (12月28日 水曜日)

ソフトウェアの環境はほとんど整ったが、いま一つ考えていたのが電源の問題だ。昨今のラップトップ・コンピューターは充電池自体もさることながら電源管理が優れていて、電源コード(AC アダプター)を伴わずに持ち歩いてもほとんど問題ないと聞いている。とはいえ電池切れはやはり不安。他方 VAIO SX12 の電源入力は USB-C と汎用性の高いものになっている。

そこで、日経 MJ の新製品コラムでいつぞや紹介されていた Anker 521 Power Bank (PowerCore Fusion, 45W) に着目、これと PC を接続できる Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル 0.9m とセットで12月22日に ヨドバシ.com で注文しておいたのがこの日届いた。

しばらく Power Bank に充電した上で AC から外して PC につなぐと、なるほど充電できている。モバイル・バッテリーとしては少々重たいのが気になるといえば気になるが、これは外出時に心丈夫だ。


という次第で、ここでいったんログはおしまい。また新しいマシンで気になることがあった場合は、つらつらと書いていくかもしれない。

Rainbow “Monsters Of Rock Live At Donington 1980”

投稿者: | 2022-09-12
Rainbow “Monsters Of Rock Live At Donington 1980”

基本データ

アーティスト:
Rainbow
タイトル:
Monsters Of Rock Live At Donington 1980
レーベル:
Eagle Rock / Ward Records
リリース年:
2016年4月15日

レビュー

  • 音質  ★★★★★☆☆☆☆☆ (5)
  • 曲目  ★★★★★★★★☆☆ (8)
  • 演奏  ★★★★★★★★☆☆ (8)
  • 雰囲気 ★★★★★★★★★☆ (9)

Ritchie Blackmore(リッチー・ブラックモア)がかつて率いたブリティッシュ・ハードロック・バンド Rainbow(レインボウ)の、1980年8月16日にイングランドのレスターシャーにあるドニントン・パークで行われた第1回 “Monsters Of Rock” フェスティヴァルでの公演を収めた作品である。当時 NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)と称されたムーヴメントの中でその中心的存在であった Rainbow は、よく知られるようにたびたびメンバー交代を繰り返していたが、この時は Blackmore のほかヴォーカルに Graham Bonnet(グラハム・ボネット)、キーボードに Don Airey(ドン・エイリー)、ベースに Roger Glover(ロジャー・グローヴァ―)そしてドラムスに Cozy Powell(コーズィー・パウエル)という布陣だった。この公演を最後に Powell は脱退、さらにその後すぐ Bonnet もグループを去ることになり、この顔ぶれでのライヴ盤はほかにはない。

この第1回 Monsters Of Rock は、レコード会社 Polydor(現 Universal Music)がバックアップしていたこともあり、もともと商品化が予定されていたもので、現に1980年当時すぐにオムニバス・ライヴ・アルバムとしてレコードが発売されていた。関堂はこの時のレコードを、友人から借りたカセットテープで聴いた記憶がある。Rainbow の出番で当該アルバムに収録されていたのは “Stargazer” と “All Night Long” だけであったが、どちらも強烈な印象だった。とりわけ “Stargazer” は、Rainbow の2枚目のアルバム “Rainbow Rising”(1976年)に収録されていた楽曲で、当時のヴォーカル Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムズ・ディオ)に誂えて作られたかのような朗々とした8分超にも及ぶ曲なのだが、本作での Bonnet もまた彼の持ち味を十分に聴かせる名演になっている。また Blackmore のギター・ソロも、曲の神秘的・魔術的な雰囲気をよりいっそう引き立てて素晴らしい。

上記2曲以外のこの公演での音源の存在は長らく囁かれ、海賊盤なども出回っていたようだが、ようやく36年もの時を経てほぼ完全な形(2曲のみ欠落)でまとめられたのが本作である。フェスティヴァルでのメイン・アクトの公演を丸ごと収録しているだけあって、観客の雰囲気も最高潮に盛り上がっているのがわかる。終盤で Blackmore が(例によって)ギターを破壊する様子もバッチリだ。

曲目は、これまでの Rainbow(Dio 在籍時)のスタジオ盤3作品と Bonnet が唯一参加した “Down To Earth”(1979年)からのものが中心だが、1970年代に名を馳せたハードロック・バンド Led Zeppelin そして Blackmore がかつて在籍していた Deep Purple がそうだったように、単にスタジオ盤での曲を再現するにとどまらず、各人のソロやインプロヴィゼイションを交えた長尺曲やメドレーにするなど、ライヴならではの演奏になっている。前述した “Stargazer” 以外に目(耳)を惹くのは、“Difficult To Cure” だろう。同曲は有名な Beethoven の第9交響曲のフレーズをアレンジしたもので、のちに1981年の同名のアルバムにスタジオ版が収録されるのだが、この頃からライヴでは演奏していたのだということがわかる。

本作の音源(一部映像もあって日本の初回限定盤には DVD も付属している)は BBC によるものらしいが、残念ながら音質はあまりよくない。帯域は55Hz付近のピークを中心にそれなりに迫力はあるものの、ダイナミック・レンジはアルバム平均で5と低い。また音の分離も悪く、こんもりした印象だ。ただしこの時代のハードロック/ヘヴィメタルのサウンドとしては、これが標準的な音作りであるとも言え、そういう意味では及第点の音だろう。

“Stargazer” の WaveSpectra
“Stargazer” の WaveSpectra

先述したように、高校時代に本作の一部に初めて接した時の衝撃もあいまって、関堂は本作を NWOBHM ムーヴメントにおけるライヴ盤の最高傑作の一つであると評したい。いまどき音楽を愉しむ人々は、ギターやその他の楽器のソロ・パートを含む長尺の楽曲を好まない傾向にあると仄聞するところ、そうした人々には退屈なシロモノでしかないかもしれないが、往年のロック、とりわけハードロックを懐かしむ人をしてワクワクさせるであろうことは間違いない。